厚生労働省によると、今年6月時点で生活保護を受給している世帯の数が全国で163万世帯弱と統計を取り始めた1951年以来過去最多となったそうです。
特に65歳以上の高齢者世帯が増加し、全体の半数近くになったとのこと。
他人ごとではない生活保護受給
しかし、これ、他人ごとではなさそうです。
普通にしっかり働いて年金保険料を納めている人でも老後は生活保護を申請しなければならない日がくるかもしれません。
民間の平均年収が400万円ほどと言われていますので、仕事人生40年の平均年収を400万円と仮定して、65歳からどれくらいの年金が貰えるようになるかを計算してみると、現時点での計算でおよそ年間160万円ほどと算出されます。
月額13万円ちょっとです。税金や社会保険料を差し引くと12万円もありません。
地域によって異なりますが、この金額は生活保護の平均受給額と変わらない額です。
年収400万円というと中流というイメージがありますが、65歳以上になると生活保護と同レベルの生活水準になってしまうということです。
むしろ生活保護受給者であれば、医療費や介護保険料、NHKの受信料などが無料になる分、生活は楽かもしれません。
自治体によっては、下水道使用料などを減免しているところもあるようです。
ましてやこれからの人口減少、少子高齢化、平均寿命の伸長に伴い、年金支給額の削減、年金支給開始年齢の繰り下げ、また、社会保障費の増加に伴う保険料や税金の負担増と、本当に生活保護に頼らざるを得ない日がくるかもしれません。
非正規労働者数は生活保護受給者に?
となると、生涯の平均年収が400万円未満の人達は、老後、公的年金だけで生活していくのはさらに困難になります。
しかも年収400万円未満では老後に備えた十分な貯蓄も難しいでしょう。
例えば、非正規労働者数は昨年2,000万人を超えました。
労働者における比率も4割ほどいると言われています。
非正規労働者の平均年収は200万円に届かないと言われていますし、男性の既婚率も正規雇用に比べて4分の1と言われています。
結婚していない非正規労働者は、宝くじに当たるか親から多大な財産を相続しない限りとても公的年金だけで生活することはできそうにありません。
これらの人が年金を受給する年齢にシフトしていくと、生活保護受給者が大幅に増加することも考えられます。
正々堂々と生活保護受給を申請できる世の中に
正規労働者にしろ非正規労働者にしろ朝から夜まで一生懸命働いて年収300万円、400万円というのは何も珍しいことではなくごく一般的なことです。
これだけの人たちが年金収入だけでは生活できなくなる制度はどこかおかしい訳で、個人の責任というよりむしろ国の責任の方が大きいと疑うべきです。
国民には憲法25条により「健康で文化的な最低限度の生活」を受ける権利が保障されています。
生活保護という名称も暗いイメージが定着していますので「生活権利金」とかいった名称に変えたらどうでしょうか。
年金という制度を止めて、老後はベーシックインカムにするというのは過激なのでしょうか。そうすれば老後の安心感も増し、目の前の経済も潤いますよね。
いずれにしても、人口減少などで社会保障制度は年々厳しくなると思いますが、普通にちゃんと働いてきた国民の権利として正々堂々と健康で文化的な最低限度の生活ができる権利を申請できる日がやって来てほしいと思います。
前回投稿した「生活保護世帯が過去最多!他人ごとではなくなる生活保護!」には多くのアクセスがありました。 将来のことを不安に思っている人が多いのでしょう。 実際はまだ書きたいことがありましたので今回ここで書き足させてもらおうと思います[…]
看護師をしている妹がいます(たまたま上の画像の人に似ています)。 バツ1子持ちで、旦那はいません。 今の病院に転職する以前の病院では看護師長をしていたベテラン看護師で、ケアマネジャーの資格もいち早く取った頑張り屋でもあります。 前[…]