50歳を過ぎても夢を追うことは逃げなのでしょうか?

今回は、50代で夢を追っている知人の話です。

50代で夢追うことは決して悪いことではないと思うのですが、「逃げ」「現実逃避」だと評されることが多いのも事実です。果たしてどうなのでしょうか。

14年前に一緒に会社を早期退職した知人(Y)がいます。

Y氏は、40歳で会社を辞めた後すぐに洋服のリサイクルショップを始めました。

そんな彼から、ショップの宣伝用にとホームページの作成を依頼されたことからお付き合いが始まりました。

同じ会社にいたものの広告部門とシステム部門と部署が違い、仕事上の接点もなかったので、この時が初対面です。

物腰が柔らかく人当りもいいのですが、気が小さくて少し頑固な面もあります。

彼には大変失礼な表現になりますが、臆病でいじめられっ子風な感じです。

その性格は後の就職活動にも支障をきたすことになります。

しばらく経営していたリサイクルショップは経営が行き詰まり2年ほどでたたみます。

その後、就職活動を続けますが、やはり当時40歳過ぎだったおじさんを満足のいく待遇で雇うところはありません。

年収はサラリーマン時代の半分以下になり、扱いも新入社員並み(但し、仕事上のノルマは年相応のことが要求されるようです)です。

幸い?独身(未婚)で両親と同居しているため、食と住は確保でき給料の殆どは貯蓄にまわせるので、そこで我慢できれば当分の間、特に問題はありません。

現状、親の年金(食と住)を頼りにしながら生活しつつも将来のために貯蓄していけば、それなりの老後が暮らせると思います。

実際、月に15万円ほどの手取りでも毎月10万円ほどは貯蓄できていると言います。

しかし、職は長続きせず人間関係を理由に転々とし始めます。

現在までにかれこれ10社ほど転々としてますが辞めた理由を聞くと殆どが
「人格を否定されたから辞めた」
と言います。

話を詳しく聞くと、要は「バカにされた」ということのようなのです。

確かに彼にはツッコミどころがたくさんあるのです。

50歳を過ぎても夢を追う

そんな彼ももう54歳になりましたが彼には夢追い人という別の一面もあります。

童話作家になる!

知り合ってから定期的に食事会をしていますが、最初に食事会の場所に持ってこられたのが彼が創作した「童話集」です。

50話ほどの童話を冊子にまとめたものです。

童話作家になるという夢があるということで、長年の間に書きあげた童話を持ってきてくれました。そういう趣味があったとはそこで初めて知りました。

わざわざ持ってきてくれたので頂いて帰り、家で読みましたが、正直、私にはその良さがよくわかりません。

童話集は、飲み屋のオネエちゃんにも配ります。

勿論、仕事ですから「ありがと~う」と快く受け取ってくれます。

ネット上に公開したり、コンクールなどの公募に応募したりしているようですが、才能が無いと分かったのか、途中から童話の話はなくなりました。

小説家になる!

次に持ってきたのが、小説です。

転職を繰り返しながらも、小説家を目指して人生逆転する、という意気込みで小説を書きはじめたようです。○○出版で公募があるので新人賞を狙っているといいます。

原稿用紙100枚くらいを食事の席で渡され、読んでみてほしいとのことでしたが、コピーではなく生の原稿だったの持ち帰る訳にもいかず、かといってさすがにその場で読むには抵抗があったので、それとなく流しました。

あらすじを問うと、全体のことは考えておらず、この先もどういう展開にするか模索中ということでした。

聞けば、どのような展開に持っていったらいいのか、落としどころ、オチはどうするかとか、いう肝心なことを考えるのが一番苦手だということです(ー_ー)!!

その後、書き上げて出版社に送ったようですが、そんなに簡単に新人賞とか取れるはずもなく、小説家の夢も諦めモードに移っていきました。

IT長者になる

しかし、彼は決して怠け者ではありません。そんな夢を追いながらも、現実問題、生活がありますので、就職活動は平行して行います。

見栄やプライドを捨て、力仕事や経験のない営業にも手を出します。

食品加工工場で契約社員をしたり、チラシ配りのアルバイトもします。

頑張っている感は凄く伝わってきます。力仕事でケガをして手に包帯を巻いたまま食事会に顔を出すこともありました。

そんな彼を見ながら人とのつながりのある仕事は苦手のようでしたので、また、以前から一緒にインターネットを利用した仕事がしたいと言っていたので、一度、一緒にネットでビジネスをしようと誘ってみました。

勿論、二つ返事で了承。

とは言え、彼はネットのビジネスは経験もなくインターネットの扱いも初心者レベル。ホームページの作り方から教えます。

ところが、ほんの少しホームページが作れるようになったところで彼から
「3年で資産を3,000万円にする計画 目指せIT長者」
という決意書?がエクセルで送られてきました。

ホームページが作れるようになったとあってテンションが上がったんでしょうけど。

エクセルを確認すると10万円の利益が上げられる店舗をネット上に10店舗作って年収1200万円。年間1,000万円貯蓄して3年で3,000万円貯蓄といったような内容です。

納税という考えが欠落しているのはまだいいとしても、10万円の利益が上げられる店舗をネット上に10店舗作るという実現性や商材、その根拠も示されていません。そもそもこれだけ苦労してどうしてこんなに楽観的な考えができるのか正直驚いた次第です。

そもそも、店舗(ネットショップ)のホームページを作るノウハウを教えるのはまだまだ先の話です。

そういったことがありつつも当方は零細企業でゆっくりもしていられません。

結局、こちらで1つのネットショップを作って、OJT風に運営やネット上の営業活動を任せてみました。

しかし、就職活動で手が回らない、電話が取れない、更新ができない、ということでこちらもすぐに実質的に放棄した形になりました。

その店舗は、結局私が引き継ぎましたが、そののちに大きな利益をもたらす店舗と成長。

頑張って5年ほど続けていれば、それこそちょっとした財産が築けたと思いますし、その後の展開もあったと思うのに残念です。

やはり夢を追っているのは現実逃避か?

こうやって振り返ってみると、やはり50歳を過ぎても夢を追っている彼は単に現実から逃げているとしか考えられません。

やりたいことがある訳ではなく、今の状態から逃れられるのであれば何にでも興味を示し、手を出そうとしているためです。

金持ちになりたいというのは50歳を超えるともはや夢ではなく単なる現実逃避です。

そんな彼ですが、まだ夢は諦めません。

参考:そんな彼ですが次は歌手を目指します


セミリタイア生活