先日、東芝が7800人の人員削減リストラ策を発表しました。
リストラがニュースになると、決まって思い出すのが15年前の当時サラリーマンだった自分自身のリストラ物語です。
あの頃はどこもかしこもリストラ。リストラの嵐だったように記憶しています。
私が勤めていた会社も不景気のあおりを受け、会社は業績の悪化とともにリストラ策を講じ、150名の早期退職者を募集しだしました。
募集条件は何とも中途半端な38歳以上。
私もギリギリ38歳でしたので応募資格は満たしていました。
早期退職者優遇制度にのっとって退職すれば、退職金が割り増しされる上、加算金があり、会社都合の退職となって失業保険がすぐに支給されます。
しかも失業保険を貰える期間も長くなるなど、自己都合で辞める場合と比較して条件がかなり良くなります。
しかし!
実は私、近いうちに早期退職者優遇制度による早期退職者の募集があるとは知らず、その1ヶ月前に上司である部長に辞表を提出していました。
私自身のリストラ物語
早期退職者の募集が発表されると、その1ヶ月前に私から辞表を受け取っていた直属の上司R部長は、私に向かって「有栗君、早まったな」とニヤっとした顔で言い放ちました。
上司は辞表をそそくさと人事部へ提出
勿論、R部長は、1ヶ月後に早期退職者の募集があることは知っており、にもかかわらず辞表を受け取った当日、そそくさと人事部へ提出しています。
こういう人、テレビだけでなく実社会にもいるんですよね。
目をかけていた部下だっただけに裏切られたようで腹立たしかったのだと思います。
引き継ぎ期間を長めにとっていたため、実際に辞める時期は、早期退職優遇制度に応募した人達と変わりません。
にもかかわらず、貰える金額は数百万円単位で違ってきます。
失業保険を貰える時期、期間も変わってきます。
捨てる神あれば拾う神あり
若干の後悔はあったものの、かといってどうすることもできず、早期退職者の募集を横目に悶々とした日々を送っていたところ、取締役から呼び出しの内線電話がありました。
常務室に行くと「辞表、私の方で止めておきましたから、改めて早期退職優遇制度に応募して下さい。」とのこと。
捨てる神あれば拾う神ありです。
常務とは以前、何度か打ち合わせなどで顔を合わせていました。
知らない間柄ではなかったので人事部から辞表を預かったとのことでした。
「R部長には私の方からその旨説明しておくので、私と話したことは言わずその時にはじめて聞いたことにして下さい。」と。
クーッ!こういう気の利いたセリフ、テレビドラマでしか聞いたことがありません。
後日、R部長から呼び出され、
「僕が口をきいて辞表をストップしてもらい、君も早期退職優遇制度に応募できるようにしてやったから。」
「しっかし、人事部との交渉は大変だったんだぞ。」と辞表を返されました。
私は辞表を受け取りニヤっと笑い返して、ついでに頭も下げてやり「ありがとうございました」と言ってやりました。
無事早期退職者優遇制度に応募して退職
かくして、無事、早期退職者優遇制度に応募。
結局、150名の募集に200名以上が殺到。
特に定年を間近に控えた人は殆どが応募していました。
応募者が殺到するのを見越して、早期退職届が受理される受付場所に前日から徹夜で並ぶ人が100人近くいました。当然、私もその中にいました。
200人以上全員の退職が認められて、私も無事退職。
あれから15年。
私は運よく事が運びましたが、あの時に列に並んでいた人の中には15年経った今でも未だに職を転々とし、転職活動を続けている人もいます。
今考えるとみんな世間知らずだったんですね。
今となっては懐かしい思い出です。
その他の関連ブログ ⇒ セミリタイア生活
不正会計が明らかになった東芝がリストラを行いました。 早期退職優遇制度にのっとって全社で2,000人ほどが3月末で会社を去るようです。 東芝の早期退職優遇制度 早期退職の募集対象は40歳以上で勤続年数10年以上の社員。 私と同じ53[…]
先日、みずほフィナンシャルグループが週休3~4日制を導入することを明らかにしました。 希望者を募って今年の12月から順次実施するそうです。 30年ほど前、私が20代の時も週休3日制のIT企業がありましたが、あの時はバブルでした。 […]
人口減少、マイナス金利、少子化、AI、フィンテックと、銀行にとってはネガティブなことばかりで、日経平均株価は上がっても銀行株は冴えません。 特に日銀の黒田総裁続投が決まってからはさっぱりです。 とはいえ、何年後かには出口戦略があり、[…]