年金制度や高年齢者雇用安定法の改正!アーリーリタイア組はこれらへの対策をどうすべきか

年金制度や高年齢者雇用安定法の改正!アーリーリタイア組はこれらへの対策をどうすべきか

こんにちは有栗です。

近年は、社会保障や働き方に関する制度が大きく変わってきていますね。

昨日も一定以上の収入がある75歳以上の医療費の自己負担割合が1割から2割に引き上げる改正法案が参院厚生労働委員会で可決されました。近く参院本会議で可決・成立します。

アーリーリタイアする前に、特に社会保障については、ある程度の制度変更は覚悟していましたが、あれから10年も経たないうちに大きな動きが出ています。

今回は、近年の高年齢者雇用安定法や年金制度の改正の中からアーリーリタイアしている私に関係ありそうなものを抜粋して、その対策について今の考えを書いてみたいと思います。

年金制度や高年齢者雇用安定法の改正

高年齢者雇用安定法の改正

まず、今年2021年の4月に高年齢者雇用安定法の改正が施行されました。

中高年の会社員の方には気になる改正だと思います。

これまで、事業主(企業)は、社員が希望すれば、65歳までの雇用が義務付けられていましたが、これとは別に、65歳までの雇用確保措置として、

  1. 定年制の廃止
  2. 定年を65歳まで延長する
  3. 65歳まで継続雇用制度の導入

のいずれかの措置を実施する努力を行うことを義務付けられていました(努力義務)。

確か私がアーリーリタイアする頃に改正された制度だと記憶しています。

しかし、今年(2021年)の4月の改正で、事業主(企業)には、

  1. 定年制の廃止
  2. 定年を70歳まで延長する
  3. 70歳まで雇用継続制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入

のいずれかの措置を実施する努力を行うことを義務付けられました(努力義務)。

②と③の年齢が70歳までに引き上げられ、努力義務となった訳です。

尚、60歳から65歳への定年延長は、2025年4月からすべての企業の義務になります。

さらに、今回の改正では、事業主(企業)は、

  1. 社員の他の企業への再就職を支援する
  2. 社員が個人事業主などとして働く場合は70歳まで継続的に業務委託契約を締結する
  3. 事業主が運営する社会貢献事業への参加を支援する

努力義務が課されました。

もし私がまだ会社員として働いていたなら、死ぬまで働けとする今回の改正は目まいがしてきそうですが、上の3つのうち特に②は働く側として、個人事業主(フリーランスや起業)といった働き方の選択肢が広がりますので、その点はいい流れだと思います。

利用する会社、人も増えてくると思います。

2022年4月からの年金制度の改正

そして来年は、年金制度が大きく変わります。

働いた時にカットされる年金額が減る

高年齢者雇用安定法の改正の流れと足並みを揃えるように年金制度も変わってきます。

60歳以降に厚生年金に加入して働きながら、受給する老齢厚生年金を在職老齢年金といいますが、給料(給与や賞与の額:総報酬月額相当額)と在職老齢年金の合計額が一定の金額を超えると年金の一部または全部が支給停止となります。

そのボーダーラインは、改正前は、

  1. 60歳から65歳未満で、月収+老齢厚生年金額月額の合計が28万円を超える場合
  2. 65歳以上は、月収+老齢厚生年金額月額の合計が47万円を超える場合

は、在職老齢年金額の一部または全部が支給停止に設定されていましたが、

2022年4月からは、

  1. 60歳から65歳未満で、月収+老齢厚生年金額月額の合計が47万円を超える場合
  2. 65歳以上は、月収+老齢厚生年金額月額の合計が47万円を超える場合(変更なし)

は、在職老齢年金額の一部または全部が支給停止となります。

つまり、これまでは、60歳から64歳までの人たちは、例えば老齢厚生年金が15万円の人は、13万円を超える収入を得ると少なからず年金がカットされていたものが、来年の4月からは月給32万円まで働いても年金が満額貰えるようになるという訳です。

70歳くらいまでは普通に働こうという意欲を高めるために環境を整える制度変更だと言えます。

年金受給開始時期の選択肢の拡大

現行制度では、年金受給開始年齢は基本65歳で、その前後5年まで受給開始時期を繰り上げ、繰り下げできるようになっていますが、2022年の改正後は、10年間、つまり75歳まで受給開始時期を繰り下げることができるようになります。

そして、受給開始時期を75歳にした場合、65歳からの受給開始より年金は月額84%増えます

人生100年と言われる時代。65歳からと75歳からの総受給額を比較した時の損益分岐点は86歳くらい(支給ベース:税金を加味するともう少し後になりますが)なので、75歳まで年金なしでやっていける人は、75歳からの受給開始を検討してみてもいいかもしれません。

年金制度や高年齢者雇用安定法の制度変更に対する対策

とまあ、こんな感じで近年は社会保障や働き方に関する制度が大きく変わってきています。

日本の平均寿命の延伸、少子高齢化を考えれば、60歳、65歳くらいで定年という従来の概念を払拭し、健康な限りできるだけ働いてもらうための環境作りは避けては通れません。

そもそも公的年金制度は、人生の残り5年から10年を年金で生活することを基本に設計されていますので人生100年と言われる現代に従来の制度が通用するはずはないのですから。

これまでも、定年の年齢の引き上げとセットで年金の受給開始年齢も55歳 ⇒ 60歳 ⇒ 65歳と引き上げられてきた通り、今回の法改正も年金の受給開始年齢を70歳に引き上げる布石です。

高年齢者雇用安定法の改正への対策

しかし、今回の高年齢者雇用安定法と年金制度の改正でアーリーリタイアした身としてちょっと気になっているのは、今後、60歳、65歳を過ぎても高収入を得る人が増えてくるのではないかという点です。

企業の支援も手伝って、年金と合わせて年収500万円というのも普通になるかもしれませんし。

そうなると、私がリタイアする時は、65歳以降も人並みに(同年代の人達と同じレベルで)生活していけると踏んでいたものが、人並みのレベルアップでそれが難しくなるかもしれません。

普通の会社員であれば60歳以降はそれまでの年収の6掛けくらいになると考えていましたから。

これについては、やはり生活レベルの差を埋めるためにも副業みたいなちょっとした収入源は確保しておく必要があると思います。投資でもいいと思います。

私は、今やっているアフィリエイトを続けられるまで続けようと思います。

そして、もし稼げなくなったら人並みの生活を諦め、質素に生きていこうと思います。

こういった対応は私にとっては決して難しいことではありませんから。

年金制度の改正への対策

次に年金についてですが、私は年金についてはかなりシビアに計算しているつもりです。

このブログでもたまに我が家の年金事情に触れてきましたが、例えば、夫婦でもらえる年金額を計算してみた、も、あくまでも現行の年金制度下での話として書いてきました。

しかし、リタイア時に作ったエクセルのシミュレーションでは、年金受給開始年齢を私も妻も70歳とし、リスクをとって繰り下げ受給の割り増し分は加算せずにやっていけるとしています。

今のところ、70歳に繰り下げれば42%増しで貰えそうですが、先はわかりませんからね。

実際に42%増しで貰えたら、旅行や外食の回数を増やそうと思います。

また、国民年金基金については、公的年金なので破綻はしないだろうけど、支給額が減額されるリスクを加味し、70歳以降の年金受給額は7掛けで計算しています。

そういえば、6月1日、国民年金基金の掛金78万円ほどが銀行から引き落とされていました。

満額を支払うのはこれが最後、来年少し支払ったら年金支給が開始されます。

あと、2022年4月から75歳まで年金の受給開始時期を繰り下げることができるようになります。

私はそうでもありませんが、妻は至って健康で長生きの家系なので、妻の年金受給開始年齢は75歳からにしようかと考えています。

ただ、税金や社会保険料(国民健康保険料、介護保険料)が差し引かれるため、手取りベースで考えるとどうなりそうか、その頃にもう一度試算してみるつもりです。

まだまだ先の話なので、今考えなくても、と思いますが、エクセルでシミュレ-ションして余裕ができると、その時から少し気分が晴れるんですよね。

私は85歳まで、妻は95歳まで生きる仮定でシミュレーションしていますので妻の年金受給開始年齢を75歳にすると、生活に少し余裕が出てきます。

あくまでも今決まっている制度での話ですが。

その他の関連ブログ ⇒ セミリタイア生活

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